使用済み作業服が、障がい者アートの“舞台”に生まれ変わる
― ホンダロジコム × 広陽商工 × アップサイクルプロジェクト ―
従業員の作業服を一新したことをきっかけに、不要となった旧作業服の回収を行ったホンダロジコム株式会社様。通常であれば廃棄される運命にあったこの作業服が、今回、思いがけない形で新たな命を得ました。
アップサイクルの依頼を受けたのは、ものづくりと環境配慮をテーマに多様な提案を行う私たちです。使用済み作業服を原料とし、障がい者アーティストの方々が使用する絵画用キャンバスボードとして生まれ変わらせるプロジェクトを実現しました。
アップサイクルの工程について
不要となった作業服は、まず裁断・粉砕され、繊維状の原料へと再生。その後、「再生繊維フェルト」として成形されます。この再生フェルトを熱プレス加工により、厚みと強度をもったシート・ボード材に成形していきます。
(画像:再生フェルトを高温で圧着し、厚手ボードへと成形する熱プレス加工中の様子)
完成したキャンバスボード
こちらが完成したキャンバスボードです。素材には再生作業服が使われているとは思えないほど、ち密で滑らかで発色も良好。表面にフィルム加工を施すことによりアクリルや水彩などの画材にも対応しており、実際に障がい者アーティストの方々の制作現場で活用できるようにしました。
(画像:作業服から作られたキャンバスボード。温かみのある色合いが特徴です。)
使用後の実例:アート作品とともに
最後に、キャンバスボードを使ったアート作品の完成例をご紹介します。アーティストの感性とアップサイクル素材が融合し、新たな表現の場を生み出しています。モノとしての再生だけでなく、「思い」の再生も叶えた実例です。
(画像:使用済み作業服とアップサイクルボードの比較展示。素材の背景が作品に込められています。)
「廃棄」から「活用」へ
― 社会貢献とものづくりの架け橋に
このプロジェクトは、単なるリサイクルではなく、「企業の取り組み × 福祉 × アート」をつなぐ社会価値の高いアップサイクル事例となりました。
今後も広陽商工は、使用済み製品や素材に新たな活躍の場を提供することで、持続可能なものづくりに貢献してまいります。